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ラトルとベルリンフィル シベリウス交響曲サイクル

 一年以上前の話になりますが、ベルリンフィルのロンドン公演の情報が出たとき、我が目を疑いました。私が愛してやまないシベリウスの交響曲、全七曲を三回の演奏会で演奏するとのこと。私にはもう理性を吹っ飛ばされるほどの衝撃でした。ただでさえ演奏頻度の低いシベリウス、特に3番、4番、6番は演奏されることすら稀なのに、それが全曲一気に、しかもベルリンフィルで聞けるとは。仕事そっちのけでチケットを発売日に確保し、以来一年余、ようやく待ちに待った夢の日々がやってきました。

 三日間で一気に全ての交響曲とヴァイオリン協奏曲を聴き通したわけですが、やはりベルリンフィルの異次元の表現力には舌を巻かずにはいられませんでした。単に技術的に突き抜けているというだけでなく、音楽の歌わせ方の途轍もない濃密さにも圧倒されます。1番や2番での、いったい何が起こったのかと思わせる凄絶な激しさ、4番や7番の神秘的な音楽の底知れぬ深み、5番の牧歌的な音楽の向こうから聞こえてくる彼岸の響き、どれをとっても忘れられません。
 私が最も愛する6番を聴いているときは、もう私の頭の方が飽和してしまい、豊かに流れ続ける美しい音楽の流れに、ひたすら流されるままに漂い続ける、そんな至福のひとときでした。
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 カラヤン時代に比べて響きがスマートになったと言われることも多いベルリンフィルですが、今回聴いて思ったのは、中低音域の響きの異様なほどの充実。低弦が思い切ったフォルテで踏み込んでくるとき、その音色には「ぎらぎら」と形容してもいいくらいの、底光りするハイライトがかかります。これが本当に美しい。こんなに固有の音色を持つ低弦、世界の他のどのオーケストラにもありません。
 この低弦にヴィオラも加わった中低音域の分厚い手触りの音色を、ラトルは前面に押し出して音響を構築していたと思います。ベルリンフィルでしか聴くことのできない、贅沢な音色ですが、この唯一無二の音色を使って、ラトルはシベリウスの音楽を、抽象的な構築物として演奏していました。伝統的なシベリウス演奏では、北欧の冷たく澄んだ空気を思わせる響きを強調した叙景的なものが多いと思いますが、それとは明確に一線を画しつつ、濃密で豊かな、新しい世界がラトルの演奏からは広がっていたように思います。

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 ラトルとベルリンフィルのシベリウス、掛値無しに素晴らしいものでした。

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by londonphoto | 2015-02-14 19:01 | ロンドン - イベント