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A great day 〜 (2)

 トゥーランドットを見た翌日は、ベルリン近郊のプレンツラウ(Prenzlau)という街を訪問した。プレンツラウではちょうど津上みゆきさんの個展が開かれており、これを観にいくのが今回の訪独の一番の目的だった。
 ちなみに私が行った日はちょうど個展の最終日で、津上さんご自身も撤収作業の準備のために現地入り。私もそこに同行させて頂く形になり、何とも贅沢なことに御本人のお話もうかがいながら、ゆっくりと作品を鑑賞できることになった。

 私が津上さんに初めて会ったのは一年ほど前のことで、その後展覧会の案内状を頂いたり、ロンドンでのアーティストトークなどを通じて彼女の作品を印刷物やインターネット、講演スライドなどでは見ていたものの、実物を目にしたのはこれが初めて。以前から魅力的な絵だと思っていたが、実際に見た絵は、パソコンの画面や印刷では分からなかった厚みと質感がすばらしく、今まで見ていた複製とは全くの別物。色や形そのものが持つ力強さや息づかい、生命感がダイレクトに伝わってきて、一気に彼女の絵の世界に引き込まれた。
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 津上さんは自分の描く絵にすべて”View”というタイトルをつけていて、自身で実際に風景の中に入って描いたスケッチをもとに、一枚の絵を作り上げていくそう。その絵はとても抽象的だけれど、彼女が見た風景や彼女の心象は絵にしっかりと痕跡を残している。また色彩の自由なほとばしりが印象的でありながら、ただ気ままに描いたのではない、確信に満ちた構成感も感じられて、見ていて飽きることがない。
 ちなみ、風景を抽象的に描いた作品をどう見られたいのかご本人に聞いてみたところ、自分の作品をきっかけに、いろんなことを自由に感じてもらえると嬉しいとのことだった。これは私自身の絵(特に抽象画)の見方と同じだったので、よりリラックスして作品を楽しむことができた。
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 この展覧会でもう一つ印象に残ったのが、会場のドミニコ会修道院という場所。今は教会の礼拝堂も併設した博物館のような形で使われているようだったが、ここがとても心地よい場所だった。
 プレンツラウという街自体は旧東ドイツの小さな街で、街並も旧東独のスタイルを受け継いでおり、率直に言うとかなり平板な印象を受ける。街外れには湖があり、その湖畔はまた雰囲気が違ったし、街の周囲に広がる丘に入ると、これはもう街とは全く違う空間と違う時間があるに違いないと思うけれど、少なくとも街自体は、中世ヨーロッパの雰囲気豊かな美しい佇まい、というタイプではない。
 ところがその平板な街並からこの修道院に入ると、とたんに雰囲気が変わる。とても親密で満ち足りた空気があって、きっとこれはここのスタッフの率直で親切な人柄が反映しているに違いない、と思わせる素敵な人々がいる。
 お昼時には中庭にテーブルが並べられていて、スープやパン、ケーキなどを食べることができ、私もここでお昼を頂いたが、この中庭の優しい空気に私は完全に取り込まれてしまった。ふと肩の力が抜けて、空気に吸い込まれるような穏やかな静けさの中に、隣の礼拝堂からパイプオルガンの音が漏れ聞こえてくる。明るい日差しが入ってきて、日の当たる礼拝堂の壁にはくっきりと庭木の影が映る。初めての場所なのに、懐かしさすら覚えた。魔法にでもかけられたかのように、この場に捉えられて動けなくなってしまう居心地のよさだった。

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 津上さんの個展はブランデンブルク州主催のイベントの一環として開かれたもので、このイベントの開幕式典がこの中庭で開催されたとのこと。その式典でバッハの音楽を演奏したという、プレンツラウ在住のヴァイオリニストの方にもお会いして、しばし音楽談義。津上さんの古くからのご友人というこの方がまた大変素敵な方で、生まれたばかりのお子さんをお連れだったにもかかわらず、ずいぶん長く話し込んでしまった。ここでもまた、素晴らしい出会いが一つ。この中庭でのひとときは、何かが心に染み通ってくるような、大切な記憶として残る時間だった。

 世界をあちこち旅していると、すこしずつ「自分の大切な場所」というのが増えてくる。そういう場所は、必ずしもよく行く場所というわけでもなくて、中には一度しか行っていないけれど忘れられない印象を残す場所というのもある。自分の心に深く残り、そして同時に自分の心もずっとそこに留まっているような場所。私にとっては、たとえばキルギスの山奥の湖だったり、ヴェネツィアの迷路だったり、ミャンマーのマンダレーの雑踏だったり、ナミビアの無人のキャンプ場だったりする。

 そういう場所の一つに、この修道院の中庭も加わった。



* * *

 これまでの写真のうちのお気に入りをFlickrに載せています。
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by londonphoto | 2015-09-26 21:53 | ドイツ | Comments(0)
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