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フランチェスカのジュリエット(ロイヤルバレエ/2015年10月)

フランチェスカのジュリエット(ロイヤルバレエ/2015年10月)_c0249519_9115738.jpg


 ついにきたこの日。待ちに待った公演。ロイヤルバレエでフランチェスカ・ヘイワードが「ロミオとジュリエット」のジュリエット役にデビューしました。

 この公演を楽しみにしていた、というのはもう何度か書いていますが、いまのロイヤルバレエで、既に「期待の超新星」という域を越えて、多くの人から一目置かれる段階へ進んでいるフランチェスカ。たった一人でも舞台を自身の存在感で満たしきってしまう魅力の持ち主で、踊りも容姿も美しく、23歳という若さもあって、ジュリエット役ということで言えば、先日の記事でも触れたヤスミン・ナグディ(Yasmine Naghdi)と並んで、一番の適役かもしれません。

 そのフランチェスカのジュリエット、最初の場面は可憐の一言に尽きました。彼女が舞台で踊っているだけで、観ているこちらの胸が一杯になってしまうような、切なさすら覚えるほど魅力的なジュリエットでした。
 あっという間に舞台に引き込まれ、彼女の魅力に捉えられてしまったので、実は何がどうだったかあまりはっきりとは覚えていません。ただ、そんな中で一つあまりにも印象的だったのが、第三幕。既にロミオと出会い、彼と心が結ばれてしまったあとに父親からパリスと結婚することを強要され、必死で抵抗しながら、最後に薬を使って仮死状態に至るまでの場面。彼女の演技にはとてつもなく重苦しい暗さが充満し、舞台を苦悩でいっぱいに満たしてしまいます。ここで描き出されているのは、パリスを拒むジュリエットの悲痛な叫びというにとどまらず、ジュリエットの全人格と人生そのものの、絶対的な重さが掛かった苦悩です。この演目でここまで重い舞台は記憶にありません。マクミラン(この舞台の振付家)独特の暗さが更に強調されて増幅されたような、すさまじい重量でした。
 最後の場面は、それゆえに心打たれて感動するというよりは、重苦しさの中で行くつくところに行き着いてしまい、結局はこうなるしかなかったのかと苦しさに沈むような印象でした。

 こういう舞台はもしかすると好みが別れるかもしれません。しかし、私はこれだけ強烈な個性を発揮できるフランチェスカに、かつてのマノンやアリスからずっと遠くへ到達した、素晴らしい成長を感じました。技術面でも、過去のマノンやアリスでは細かいところで素人の私にも分かるような小さなミスがときどきありましたが、今日の舞台では全く気になりませんでした。
 今日になってようやく気付いたのですが、彼女は腕がとても長くてきれいなのですね。動きの中での身体のラインも非常にしなやかで美しく、全ての動作が流れの中で、すっとはまるべきところにはまるので、見ていて本当に気持ちがいいのです。いよいよプリンシパルも彼女の視界に入ってきたのではないかという気がします。

 今回の相手のロミオ役は、プリンシパルのマシュー・ゴールディング。フランチェスカと組むとどうなるのだろうと思っていましたが、この二人の相性が想像以上に良くて、とてもいいバランスを作り上げていました。技術的にも全く隙がなく、非常に高水準で素晴らしかったと思います。

フランチェスカのジュリエット(ロイヤルバレエ/2015年10月)_c0249519_9122812.jpg


 もう一人、とても好印象だったのが、マキューシオを演じたマルセリーノ・サンベ。マキューシオがティボルトに決闘で敗れ、死に至るシーンは実力派ダンサーがその演技力を発揮する場面なのですが、これがなかなかいい演技に当たりません。いままで観た中では、先ごろ引退したホセ・マルティンが一番好きだったのですが、今日のサンベの演技はマルティンに劣らず素晴らしいものでした。

フランチェスカのジュリエット(ロイヤルバレエ/2015年10月)_c0249519_9125141.jpg


 可憐に始まって、最後にはずっしりと重量級の手応えのあったフランチェスカの圧巻のジュリエット。今シーズンはもう一度だけ、彼女の舞台があります。もちろん見に行きますよ。次はもう少し冷静に見られる・・・かな?

フランチェスカのジュリエット(ロイヤルバレエ/2015年10月)_c0249519_9131413.jpg

フランチェスカのジュリエット(ロイヤルバレエ/2015年10月)_c0249519_9134920.jpg
 
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フランチェスカのジュリエット(ロイヤルバレエ/2015年10月)_c0249519_915385.jpg





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by londonphoto | 2015-10-24 09:19 | バレエ